
石川県小松市・金沢市を中心にリノベーションを行うイング建築設計です。
「親の足腰が弱ってきて、段差でつまずかないか心配」
「介護のたびに廊下やトイレが狭くて不便」
築20年以上の住宅に住んでいると、こんなお悩みを抱えているご家庭も多いのではないでしょうか。特に段差や手すり不足は転倒事故の原因になりやすく、放置すると命に関わるリスクにもつながります。
そこで注目されているのが 「バリアフリーリフォーム(リノベーション)」 です。手すりの設置や段差の解消といった小規模工事から、介護しやすい間取り変更まで方法はさまざま。補助金や介護保険を利用できるケースもあるため、思った以上に費用を抑えられる可能性もあります。
本記事では、必要性や工事内容、費用相場、注意点、実際の事例までをわかりやすく解説します。
目次
介護と住まいの関係について
リノベーションの話をする前に、社会問題となっている介護についてご紹介します。介護とは、高齢になった親や家族が日常生活を送るうえで自力では難しい部分を、家族や介護サービスが支えることを指します。食事や入浴、排せつなど生活の基本動作をサポートする「身体介護」と、掃除や買い物などを手伝う「生活援助」に大きく分かれます。
日本は超高齢社会に突入しており、今や多くの家庭で介護は身近なテーマです。その中で、「自宅で介護するか、施設にお願いするか」という選択は大きな悩みどころとなっています。
介護で今問題になっていること
現在、介護に関してはさまざまな問題が指摘されています。
介護する家族の負担が大きい
特に同居している50〜60代は「介護と仕事の両立」に悩むケースが多く、心身の疲労が積み重なっています。
転倒や事故のリスク
築20年以上の住宅では段差や手すり不足が多く、高齢者の転倒事故が介護の現場で問題になっています。
介護される側の気持ち
サポートを受けることで「迷惑をかけているのでは」と感じ、精神的なストレスにつながることもあります。
住まいを工夫することで解決できること
こうした問題の多くは、「住まいの環境」を整えること(リノベーション)で改善できます。
- 段差解消や手すり設置で事故を防ぐ
- 廊下やトイレを広げて介護する人の負担を減らす
- 引き戸やバリアフリー設計で高齢者の自立を支援する
介護は「家族の問題」であると同時に「社会全体の課題」でもあります。しかしまずは、毎日を過ごす 自宅を安全で使いやすい空間に変えること(バリアフリーリノベーション・リフォーム) が、介護を長く続けるうえで欠かせない第一歩です。
なぜ今「バリアフリーリノベーション」が必要なのか
家族と安心して暮らすために、住まいの安全性を見直すことは欠かせません。特に築20年以上経った住宅では、段差や狭い廊下など、高齢の親にとって危険につながるポイントが多く残っています。家庭内で高齢者の一番多いケガの原因は、転倒です。事前にバリアフリーリフォームを行うことで、この店頭事故を未然に予防する対策につながります。
高齢化が進むいま、「転倒やケガを防ぎたい」「介護のしやすい住まいにしたい」と考えて、バリアフリーリノベーションを検討するご家庭が増えています。ここでは、その必要性と注目されている理由を詳しく見ていきましょう。
築20年以上の住宅は危険が多い
昭和〜平成初期に建てられた住宅には、段差が多かったり、廊下やトイレが狭かったりする傾向があります。若い頃には気にならなかったこうした住まいの構造も、高齢になると転倒や事故のリスクを高めてしまいます。実際に「ちょっとした段差でつまずいた」「廊下が狭くて介助がしにくい」」「トイレや浴室での移動が不安」といった声は少なくありません。
高齢の親と暮らすと見えてくる課題
子どもが巣立ち、親と同居するようになると、住まいの使いにくさが一気に表面化します。介護の際に車いすが通れない、浴室での移動が危険、といった問題が出てくるのです。バリアフリーリノベーションは、こうした不安を解消し、介護する側とされる側、双方にとって負担を減らす効果があります。
介護する側・される側、両方にやさしい住まいづくり
介護は長期にわたることが多く、介護をする家族の負担も大きくなりがちです。例えば、廊下を広げて移動しやすくしたり、浴室に手すりを設置したりすることで、介護する側の肉体的負担を軽減できます。同時に、高齢者自身も「自分で動ける範囲が広がる」という安心感を得られるため、精神的な自立にもつながります。
バリアフリーリノベーションでできること
バリアフリーリノベーションは、段差をなくしたり手すりを付けたりするだけではありません。住宅全体を見直し、家族の暮らしに合わせて安全性・快適性を向上させることが目的です。ここでは代表的なリノベーション内容をご紹介します。
バリアフリーリノベーション①手すりの設置で転倒リスクを減らす
高齢者が自宅でケガをする原因の多くは「転倒」です。特に階段や廊下、トイレ、浴室は事故が起きやすい場所。これらに手すりを設置することで、つかまりながら安全に移動でき、転倒リスクを大幅に減らせます。将来を見据えて複数の場所に設置しておくと安心です。
バリアフリーリノベーション②段差解消やスロープ設置で安全に移動
築20年以上の住宅には小さな段差が多く残っており、つまずきや転倒の原因になっています。玄関や室内の段差をなくす、スロープを設置するなどの工事を行えば、歩行が不安定な方や車いすを使う方でも安心して移動できます。毎日の移動が楽になり、介護する側の負担も軽減できます。
バリアフリーリノベーション③介護しやすい間取り変更
介護は寝室・リビング・ダイニングなど生活の中心となる部屋で行うことが多いため、動線が重要です。
- 廊下を広げて車椅子での移動を可能にする
- 開き戸を引き戸に変更して出入りをスムーズにする
- 寝室の近くにトイレを配置し、夜間移動の負担を減らす
といった改修で、介護する側・される側の両方が快適に過ごせる空間になります。
間取りやスペースの工夫が大切
バリアフリーリノベーションでは、単に段差をなくすだけでなく、介護に必要なスペースを確保することが大切です。寝室やリビングに十分な幅を持たせれば、車椅子の移動や介助がスムーズになり、介護する人とされる人の双方にとって安心感が増します。特にトイレや洗面所は狭いまま改修すると不便が残りやすいため、余裕のある間取りを意識することが重要です。
バリアフリーリノベーション④使いやすい設備への変更
毎日使用する設備は、小さな工夫で大きな安心につながります。
- 便器:高さを調整して立ち座りを楽にする
- 洗面所:車椅子でも利用できるデザインに変更
- 浴室:滑りにくい床材や浅めの浴槽にして出入りを安全に
さらに、収納の位置を低く設置すれば、無理な動作をせずに物を取り出せるようになり、高齢者に優しい住まいになります。
このように、バリアフリーリノベーションは 「安全性」+「介護のしやすさ」+「自立の支援」 を同時に実現できるのが大きな特徴です。リビングや寝室など日常生活で長時間過ごす部屋こそ、重点的に改修を検討すると効果的です。
バリアフリーリノベーションの費用と「かかる」期間
バリアフリーリノベーションを検討する際に、多くの方が最初に気になるのが「費用はいくらかかるのか」「工事にはどのくらいの期間が必要なのか」という点です。手すりの設置のように数万円でできる工事もあれば、間取り変更を伴う大規模なリノベーションでは数百万円規模になることもあります。
また、工事の規模によっては数日で完了する場合もあれば、数か月かかることもあります。事前に費用や期間の目安を知っておけば、資金計画や生活の準備がしやすくなり、後悔のないリノベーションにつながります。
ここからは、代表的な工事内容ごとの費用相場や工期、さらに補助金や介護保険を活用する方法について解説していきます。
工事内容ごとの費用目安
バリアフリーリノベーションの費用は、工事の範囲や内容によって大きく変わります。一般的な目安は次の通りです。
- 手すりの設置(廊下・階段・トイレ等):1〜5万円程度/1か所
- 段差解消(玄関・室内):5〜30万円程度
- スロープ設置(屋内外):10〜50万円程度
- 引き戸への変更:10〜20万円程度/1か所
- 浴室のバリアフリー化(滑りにくい床・段差解消等):50〜150万円程度
- 間取り変更(廊下・トイレ・居室拡張等):100〜300万円程度
築20年以上の住宅では、劣化部分の補修や配管の交換が必要になり、追加費用が発生することもあるため、見積もりは余裕を持って確認することが大切です。また、見積りを取る際には、工事範囲にどこまで含まれるのかを詳細にチェックしておくことが重要です。
工事にかかる期間の目安
- 手すり設置や小規模な段差解消:半日〜数日
- 浴室やトイレの改修:1〜2週間程度
- 間取り変更や大規模リノベーション:1〜3か月程度
小規模な工事であれば住みながら施工が可能ですが、大規模な改修になると仮住まいが必要になる場合もあります。あらかじめ生活スケジュールを考慮して計画を立てましょう。
補助金・介護保険・減税制度の活用
「バリアフリー工事は高額」というイメージがありますが、実際には国や自治体の補助制度、介護保険の住宅改修費、さらに減税制度を利用することで自己負担を大きく減らせる可能性があります。
- 介護保険の住宅改修費:要介護・要支援認定を受けた方は、最大20万円までの工事に対して支給(自己負担は1〜3割)
- 自治体の補助事業:耐震改修や省エネリフォームと組み合わせたバリアフリー工事が対象になる場合もあり、地域ごとに条件が異なります。
- 国の支援制度:長期優良住宅化リフォーム推進事業などで、バリアフリー工事が対象となるケースもあります。
- 減税制度:バリアフリー改修により所得税控除や固定資産税の軽減を受けられる場合があります。
無料相談やローンでの資金計画
多くの施工会社では 無料相談や無料見積り に対応しており、費用感を事前に把握することが可能です。また、予算に不安がある場合は、リフォームローンを活用して資金を分割払いにする方法も検討できます。補助金や減税と併用すれば、無理のない計画でバリアフリーリノベーションを実現できるでしょう。
バリアフリーリノベーションで「後悔」しないための注意点
せっかくバリアフリーリノベーションをしても、「思ったほど使いやすくなかった」「もっと別の方法があった」と後悔してしまうケースがあります。特に高齢の親や介護が関わるリフォームでは、一度工事をするとやり直しが難しいことも多いため、事前の準備と計画が欠かせません。ここでは、後悔しないために押さえておきたい注意点を解説します。
施工前に家の状態をしっかり確認する
築20年以上の住宅では、床や基礎、配管などの老朽化が見つかることがあります。表面的な工事だけを行うと、数年後に再工事が必要になることも。リノベーションを始める前に専門家による診断を受け、必要な補修や工事範囲を明確にしておくことが大切です。
介護する人・される人の両方の目線で考える
「手すりを増やしたのに実際は使いづらい」「廊下を広げたのに介護ベッドが入らない」といった失敗は、介護する側・される側の双方の意見を反映していないことが原因です。介護動線をシミュレーションしながら、使う人の生活リズムに合わせた設計を考えることが重要です。
すべてを工事で解決せずレンタル活用も検討する
バリアフリー化といえば工事を思い浮かべがちですが、必ずしもすべてを改修で対応する必要はありません。介護ベッドや据え置き型の手すり、スロープなどは介護保険を使ってレンタルできる場合があります。
- 介護ベッドや床ずれ防止マット:購入すると高額ですが、レンタルなら月々数千円〜で利用可能
- 据え置き型の手すり:工事をせずに設置でき、必要なときだけ使える
- ポータブルスロープ:段差のある玄関や出入口に設置して使える
「一時的に必要なものはレンタル」「長期的に必要なものは工事」と使い分けることで、費用を抑えながら快適さを確保できます。
信頼できる施工会社を選ぶ
バリアフリーリノベーションは専門的な知識が必要です。施工実績が少ない会社に依頼すると「仕上がりはきれいでも使い勝手が悪い」といったことになりかねません。事例や口コミを確認し、補助金制度や介護保険の支援に詳しい施工会社を選ぶのが安心です。施工会社を探す際は、ホームページの事例一覧を確認し、条件や費用感を比較しながらチェックすることが大切です。ネット検索で得られる情報も参考になります。
そして、契約前には見積書の詳細を確認し、どこまで工事に含まれているかをチェックしましょう。
タイミング(時)を逃さずリノベーション・リフォームする
「親が転倒してから慌てて工事をした」という例も少なくありません。バリアフリーリフォームは、事故が起きる前の時点で進めることが大切です。特に築20年以上の住宅は劣化も進んでいるため、早めに相談を始めれば補助金や支援事業を利用できるチャンスも広がります。
バリアフリーリノベーションを成功させるためには、事前調査・生活動線の確認・工事とレンタルの使い分け・会社選び の4つを押さえることが欠かせません。これらをしっかり意識すれば、後悔のない快適な住まいを手に入れることができます。
成功事例から学ぶ「バリアフリーリノベーション」
バリアフリーリノベーションを検討している方の中には、
「本当に暮らしやすくなるのだろうか?」
「具体的にどんな変化があるのかイメージできない」
と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
そんなときに参考になるのが、実際にリノベーションを行ったご家庭の事例です。どのような悩みを抱え、どんな工事を行い、暮らしがどう変わったのかを知ることで、自分の住まいに置き換えて考えやすくなります。ここでは、老後も安心して暮らせる住まいを実現した事例をご紹介します。
老後も安心、家族みんなが快適に暮らせる住まいへ
築年数が経ち、冬は寒さが厳しく、室内も暗かったお客様。ご夫婦は「老後も安心して暮らしたい」「孫が遊びに来ても快適に過ごせる家にしたい」という思いから、バリアフリーリノベーションを決意されました。
工事ではまず、LDKと縁側を一体化し、大きな窓から光が差し込む明るい空間に。さらに、無垢の床と畳を組み合わせる工夫により、「畳でこたつを囲む暮らし」を残しながら、足元から暖かい快適な空間を実現しました。
また、水まわりの動線を整理して浴室・洗面・トイレをまとめて配置。移動がスムーズになり、冬でも安心して使える環境になりました。さらに、トイレには手すりを設置し、高齢になっても使いやすいよう配慮しました。
完成後の住まいは、かつての暗くて寒い印象から一転。明るく暖かいLDKに家族が自然と集まり、お孫さんと一緒に楽しい時間を過ごせるようになりました。お客様からは「老後も安心して生活できそうです」と喜びの声をいただいています。
https://www.ing-reform.jp/renovation/22790.html
【まとめ】安心できるバリアフリーリノベーションは「相談」から
築20年以上の住宅には、段差や狭い廊下、寒さなど、高齢者にとって思わぬ危険が潜んでいます。介護が必要になってから慌てるのではなく、事前にバリアフリーリフォーム(リノベーション)を行うことで、ご両親の安全を守り、介護をする家族の負担も軽減できます。
バリアフリー工事の目的は、安全性の確保だけではありません。断熱性能や住宅の基本機能を向上させることで、1年を通じて快適に過ごせる家へと生まれ変わります。特に築古物件では、屋根や外壁の改修と合わせて行うことで、住まい全体の価値を高められるメリットもあります。
また、リフォームには費用がかかりますが、予算に合わせて調整できる工事内容も多く、補助金や減税制度、リフォームローンを活用すれば無理のない資金計画が可能です。
ただし、住まいの状態やご家族の条件によって最適な内容は異なります。だからこそ、後悔のないリノベーションにするためには、まずは専門家へ相談し、暮らしに合ったプランを一緒に探すことが大切です。
私たちイング建築設計は、石川県小松市・金沢市・加賀市・能美市・野々市市・白山市を中心に、多くのバリアフリーリノベーションを手がけてきました。ご家族の安心と快適を両立させるためのご提案を行っています。後悔しない住まいづくりは、「まず相談してみること」から始まります。お気軽にお問い合わせください。
★お問い合わせはこちら↓
https://www.ing-reform.jp/contact
★来店予約はこちら↓
https://www.ing-reform.jp/raiten
★LINEで気軽に相談↓
https://page.line.me/385yiuzj?oat__id=2927576&openQrModal=true












